カウンセリングによる心理的治療

うつ病治療の重要なポイント

うつ病は誰でも陥る病です。一旦うつ病になると、頭痛や不眠など身体的な不調も伴って回復は容易ではありません。うつ病になったという自覚がない場合が多く、回復が遅れる要因ともなっています。その原因は様々で治療法も多岐にわたります。うつ病治療は、薬物療法と行動療法等のほかにカウンセリングによる心理的療法があります。薬物療法では、抗不安薬や導眠剤などを服用し脳内物質の分泌をコントロールし精神の安定を図ります。行動療法では、簡単な作業などに取り組むことにより集中力を高め脳の活性化を促します。うつ病の病状に応じて最適の治療法をうつ病患者に施すことになりますが、まずカウンセリングを行って患者の訴えを十分に聴くことは欠かせません。

カウンセリングによるうつ病治療の効果

心理療法士や精神科医は、カウンセリングにより患者の生活の現状や嗜好などを把握していきます。そして、うつ病の原因となるこだわりなどの心理の特性について分析します。患者も自分の心情を吐露しながら自己分析を深めていきます。このプロセスでは、患者が忘れてしまいたい辛い現実や体験と向き合わざるを得ない場面もあるでしょう。カウンセリングでは、こうした辛い事実が患者の心を押し潰さないように注意しながら、患者が囚われている要因を探り患者と共有していきます。

患者は他人に自己の心情を知ってもらい、共感や分析の過程を経ながら少しずつ自分を客観視することができるようになるのです。患者は自分のこだわりを捨てて気持ちが軽くなると、社会に対して興味が湧き活動的になっていくことでしょう。カウンセリングは、うつ病患者に特有の無気力や無力感を払拭し、内向きだった患者の視点を外界に向けるきっかけとなる重要な治療法なのです。